日本菌類百選

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更新日 2017-07-28 | 作成日 2007-09-15

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日本菌類百選

日本菌類百選
One hundred selection of Japanese fungi

 菌類は植物や動物と並ぶ大きな生物群で、私たちの生活とも密接な関係をもっています。その存在と重要性を社会に広くアピールすることは、菌類の社会的認知度を上げるためにも重要です。日本菌学会ではこのような観点から、「日本菌類百選」の選定を平成18年度事業の一環として行ないました。本企画はホームページや学会誌による告知と学会会員から公募された幅広い種類の菌類の中から、選定委員会が下に示すような基準で決定したものです。

【選定基準】
1)国内に広く分布する普通種でごく身近な菌(生態的に重要)
2)日本を代表する植物や動物、あるいは菌類と深く関係した菌
3)日本人の暮らしと過去および現在において密接に結びついた菌
4)日本から新種記載された種類で、生物学的あるいは経済学的見地からみて興味深い菌
5)日本固有種・世界的な稀菌
6)菌学上の特筆すべき日本発新知見に貢献した菌
7)民俗学的に重要と考えられる菌
8)その他(形態学的、生態学的あるいは生物地理学的に興味深い菌など)。

以下の表では、それぞれの菌の学名の順に表記し、簡単な紹介(キャッチコピー)を示しました。

【文献】
長沢栄史・根田仁・原田幸雄・奥澤康正・奥田徹・細矢剛. 2007. 日本菌類百選. 日本菌学会会報 48(1): 17-20.

番号バンゴウ 和名ワメイ 学名ガクメイ キャッチ
1 タマゴタケ Amanita hemibapha (Berk. & Broome) Sacc. subsp. hemibapha (Berk. & Broome) Sacc. 日本の夏を彩る代表的きのこ。
2 イボテングタケ Amanita ibotengutake T. Oda, C. Tanaka & Tsuda 毒きのこだが、イボテン酸という強い旨み成分をもつ。
3 ベニテングタケ Amanita muscaria (L.) Lam. メルヘンティックなきのこの代表。
4 テングタケ Amanita pantherina (DC.) Krombh. 別名ハエトリタケ。
5 タマゴテングタケ Amanita phalloides (Vaill. ex Fr.) Link 緑の傘をかぶった殺し屋きのこ。
6 ドクツルタケ Amanita virosa (Fr.) Bertill. その清楚な姿は「死の天使」と呼ぶにふさわしい猛毒きのこ。
7 ホテイシメジ Ampulloclitocybe clavipes (Pers.) Redhead, Lutzoni, Moncalvo & Vilgalys 酒との相性が悪い毒キノコ。
8 ヤチヒロヒダタケ Armillaria ectypa (Fr.) Emel 日本に産する世界的絶滅危惧種。
9 ナラタケ Armillaria mellea (Vahl.) P. Kumm.  日本を代表する野性きのこで、様々な顔をもつ。
10 アスペルギルス・ニガー Aspergillus niger Tiegh. 有機酸や酵素などの工業生産に利用。
11 キコウジ Aspergillus oryzae (Ahlb.) E. Cohn 日本の発酵食品に不可欠、日本の味の基礎。
12 ヒウガハンチクキン日向斑竹菌 Asterinella hiugensis Hino & Hidaka 現在では絶滅した日本固有のカビ。
13 ツチグリ Astraeus hygrometricus (Pers.) Morgan 地上に降りたお星様。
14 アスナロ天狗巣病菌 Blastospora betulae S. Kaneko & Hirats. f. 日本人が命名した最初の菌類。Caeoma asnaro Shirai (1889)がもとの名前。
15 クロカワ Boletopsis leucomelaena (Pers.) Fayod 食通には有名な秋の味覚。
16 ヤマドリタケ Boletus edulis Bull. ヨーロッパではトリフと並ぶ野生食用きのこの王者。
17 キリノミタケ Chorioactis geaster (Peck) Kupfer 産地が極めて限定的な絶滅危惧種。
18 ツバキキンカクチャワンタケ Ciborinia camelliae L.M. Kohn  菌核化したツバキやサザンカの花弁に発生し、春の訪れを告げる。
19 クラドスポリウム・クラドスポリオイデス Cladosporium cladosporioides (Fresen.) G.A. de Vries 日本でもっとも一般的な空中雑菌。
20 ドクササコ Clitocybe acromelalga Ichimura 食べたら地獄の苦しみ、恐怖の毒きのこ。
21 コレオフォーマ・エンペトリ Coleophoma empetri (Rostr.) Petr. 日本発の抗真菌剤の前駆体を生産。
22 ヒトヨタケ Coprinopsis atramentaria (Bull.) Fr. 傘は一夜で溶解、正に名は体を現す。
23 オオセミタケ Cordyceps heteropoda Kobayasi セミの幼虫から発生する身近な冬虫夏草。
24 サナギタケ Cordyceps militaris (L.) Link 蛾の蛹から発生する冬虫夏草。
25 ヒトクチタケ Cryptoporus volvatus (Peck) Shear ヒトクチ、その名前の由来は?。
26 ウスキキヌガサタケ Dictyophora indusiata f. lutea (Liou & L. Hwang) Kobayasi  形、色共に美しい絶滅危惧種。
27 コウヤクマンネンハリタケ Echinodontium japonicum Imazeki 栃木県日光で採集された日本固有種(絶滅危惧種)。
28 ソライロタケ Entoloma aeruginosum Hiroe 全身ブルーの宝石。
29 クサウラベニタケ Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kumm. 毎年のきのこ中毒の主メンバー。
30 ウラベニホテイシメジ Entoloma sarcopum Nagas. & Hongo 秋の雑木林の代表選手。
31 カンゾウタケ Fistulina hepatica (Schaeff.) With. 形はまさにレバー、お味は?。
32 エノキタケ Flammulina velutipes (Curtis) Singer 栽培モノとは大違い、「雪の下」でも平気な元気なきのこ。
33 ツリガネタケ Fomes fomentarius (L.) J.J. Kickx 火口(ほくち)としても利用されたきのこ。
34 コレラタケ Galerina fasciculata Hongo 必殺の毒きのこ、中毒症状はコレラ病にそっくり。
35 キツネノサカズキ Galiella japonica (Yasuda) Y. Otani 日本固有の絶滅危惧種。
36 マンネンタケ Ganoderma lucidum (Curtis) P. Karst. 縁起物として重宝がられる。
37 イネ馬鹿苗病菌 Gibberella fujikuroi (Sawada) Wollenw. 植物ホルモンジベレリンの生産菌。
38 マイタケ Grifola frondosa (Dicks.) Gray 見つければ踊りたくなるほど嬉しい食用菌。
39 ヤマブシタケ Hericium erinaceum (Bull.) Pers. ウサギ型のきのこは新感覚の食感と風味。
40 サクラシメジ Hygrophorus russula (Fr.) Kauffman 桜色というよりは?さまざまな名前で呼ばれる食用野生きのこ。
41 ニガクリタケ Hypholoma fasciculare (Huds.) P. Kumm.  たくさん生えても要注意。
42 クリタケ Hypholoma sublateritium (Schaeff.) Quél. ナラタケ同様庶民的な食用菌。
43 タケリタケ Hypomyces hyalinus (Schwein.) Tul. & C. Tul. 変なきのこの正体は、カビの寄生を受けたきのこの姿。
44 ブナシメジ Hypsizygus marmoreus (Peck) Bigelow 最近日本で栽培法が確立したスーパーでお馴染みのきのこ。
45 カワウソタケ Inonotus mikadoi (Lloyd) Gilb. & Ryvarden  天皇に献名された日本産の新種。
46 クモタケ Isaria atypicola Yasuda 小石川植物園がタイプ・ロカリティ、明治時代に記載。
47 ツクツクボウシタケ Paecilomyces cicadae (Miq.) Samson 免疫抑制剤のヒントを与えた冬虫夏草。
48 ハツタケ Lactarius lividatus Berk. & M. A. Curtis 松と共に日本中に分布する野生の優良食用菌の代表。
49 アカモミタケ Lactarius laeticolor (S. Imai) Imazeki ex Hongo ハツタケとともに、野生食用菌として人気。
50 チチタケ Lactarius volemus (Fr.) Fr. 栃木県で特に好まれるきのこ。
51 オニフスベ Lanopila nipponica (Kawam.) Kobayasi バレーボールの球、チンプクリン、それとも鬼のコブ(瘤)?。
52 エブリコ Laricifomes officinalis (Vill.) Kotl. & Pouzar 和名はアイヌ語に由来。アイヌの人たちはこのきのこを薬用に利用していた。
53 アカヤマドリ Leccinum extremiorientale (Lar. N. Vassiljeva) Singer ビッグで不規則にひびわれた傘が目印。
54 シイタケ Lentinula edodes (Berk.) Pegler 日本発の世界的食用菌。
55 ホコリタケ Lycoperdon perlatum Pers. つぶせばほこりのように胞子が飛び散る。
56 ハタケシメジ Lyophyllum decastes (Fr.) Singer 人里に生えるシメジ。
57 シャカシメジ Lyophyllum fumosum (Pers.) P.D. Orton お釈迦様もびっくり?ぞろぞろまとまって発生。
58 ホンシメジ Lyophyllum shimeji (Kawam.) Hongo 「香マツタケ味シメジ」の真のシメジ。ついに人工栽培に成功。
59 ニオウシメジ Macrocybe gigantea (Massee) Pegler & Lodge 巨大きのこがまさに仁王立ち。
60 イネいもち病菌 Magnaporthe grisea (T.T. Hebert) M.E. Barr (= Pyricularia oryzae Cavara) 稲の重要病害菌、継続した研究が望まれる。
61 アミガサタケ Morchella esculenta (L.) Pers. var. esculenta 春の訪れを告げる子嚢菌。
62 ヤコウタケ Mycena chlorophos (Berk. & M.A. Curtis) Sacc. 観光名物となった発光性きのこ。
63 ウスキブナノミタケ Mycena luteopallens Peck 秋、ブナの実(種子)に生える繊細なきのこ。
64 オルピディウム・ヴィシアエ Olpidium viciae Kusano 日本人が生活史の解明に関わった。
65 ツキヨタケ Omphalotus japonicus (Kawam.) Kirchm. & O.K. Mill. ブナ林代表、きのこ中毒No.1、発光性でも知られる。
66 ホネタケ Onygena corvina Alb. & Schwein. フクロウのくちばしなどに発生する希菌。
67 ペニシリウム・シトリナム Penicillium citrinum Thom 世界的に知られるコレステロール低下剤の前駆体を生産。
68 ファッフィア・ロドツィーマ Phaffia rhodozyma M.W. Mill., Yoney. & Soneda 日本発の天然色素アスタキサンチンの工業生産。
69 ナメコ Pholiota microspora (Berk.) Sacc. 日本で栽培法が確立した食用きのこ。
70 フィコミケス・ニテンス Phycomyces nitens (C. Agardh) Kunze  光に反応する糞生菌。
71 スギノタマバリタケ Physalacria cryptomeriae Berthier & Rogerson  スギ落枝の枯葉上に生える極小きのこ。
72 スギヒラタケ Pleurocybella porrigens (Pers.) Singer 可食菌から毒きのこに突然変身?。
73 タモギタケ Pleurotus cornucopiae (Paulet) Rolland var. citrinopileatus (Singer) Ohira 天然ものは今や貴重品、栽培品が増加中。
74 ヒラタケ Pleurotus ostreatus (Jacq.) P. Kumm. 日本の代表的食用きのこ、スーパーでお馴染み。
75 カエンタケ Podostroma cornu-damae (Pat.) Boedijn 食べれば火炎(やけど)の苦しみ?。
76 タマチョレイタケ Polyporus tuberaster (Jacq.) Fr. 発生の稀な、菌核上に発生する大型きのこ。
77 コウボウフデ Pseudotulostoma japonica (Kawam.) Asai, H. Sato & Nara 最近門レベルの分類が正された珍菌。
78 ヒカゲシビレタケ Psilocybe argentipes K. Yokoy. 日本特産の幻覚性きのこ(マジックマッシュルーム)。
79 ホウキタケ Ramaria botrytis (Pers.) Ricken 独特の形をした優良食用菌、でも類似種(毒菌)には要注意。
80 リゾムコール・プシルス Rhizomucor pusillus (Lindt) Schipper  チーズ製造の革命、ムコールレンネットの生産。
81 ショウロ Rhizopogon rubescens (Tul. & C. Tul.) Tul. & C. Tul. 海岸の松林で採れる高級食用きのこ。
82 リゾプス・ニグリカンス Rhizopus nigricans Ehrenb. 日本に広く分布、大豆発酵食品テンペの生産も。
83 ロドスポリディウム・トルロイデス Rhodosporidium toruloides Banno 日本での研究によって初めて担子菌であることが分かった酵母。
84 ショウゲンジ Rozites caperatus (Pers.) P. Karst. 和名はお寺の名前に由来。
85 ニセクロハツ Russula subnigricans Hongo 「間違えてゴメン」ではすまない猛毒菌。
86 コウタケ Sarcodon aspratus (Berk.) S. Ito グロテスクな外観だが、和食によく合うおいしいきのこ。
87 スエヒロタケ Schizophyllum commune Fr. 広く分布する。遺伝学の発展に貢献。
88 キツネノヤリ Scleromitrula shiraiana (Henn.) S. Imai 桑の実に発生し、絶滅が危惧される日本固有種。
89 アミタケ Suillus bovinus (Pers.) Roussel 松林に広く分布し、野性食用菌として人気。
90 ハナイグチ Suillus grevillei (Klotzsch) Singer カラマツ林を代表する優良食用菌。
91 サクラ天狗巣病菌 Taphrina wiesneri (Ráthay) Mix 菌類の系統進化研究の鍵となる重要菌だが、桜には迷惑物。
92 オオシロアリタケ Termitomyces eurrhizus (Berk.) R. Heim シロアリが栽培する熱帯きのこ。
93 トリコデルマ・ハルジアヌム Trichoderma harzianum Rifai シイタケ栽培の強敵だが、酵素の工業生産にも。
94 カワラタケ Trametes versicolor (L.:Fr.) Quél.  広く分布、免疫賦活活性による抗癌剤のはしり。
95 バカマツタケ Tricholoma bakamatsutake Hongo うっかり間違えて雑木林に出てしまった「マツタケ」?。
96 マツタケ Tricholoma matsutake (S. Ito & S. Imai) Singer 食用菌の王、菌根菌研究でも世界をリード。
97 ハエトリシメジ Tricholoma muscarium Kawam. 旨い日本特産のきのこだが、食べ過ぎは毒。
98 カキシメジ Tricholoma ustale (Fr.) P. Kumm. きのこ中毒のトップ3にランクされる毒きのこ。
99 イボセイヨウショウロ Tuber indicum Cooke & Massee 日本で発見されたトリフとしては初めての種類。
100 タマノリイグチ Xerocomus astereicola Imazeki ツチグリ上に発生する特異な生態の日本固有種。