第17回 菌類観察会 & 第17回 菌学ワークショップ報告
「硬質菌類(特に多孔菌類)の分類と顕微鏡観察」

日時: 2003年9月13日(土)-15日(月)

  • 1日目:懇親会前に講義
  • 2日目:鑑定会後に顕微鏡を用いた観察実習、講義
  • 3日目:顕微鏡的特徴の観察実習

会場: 筑波大学菅平高原実験センター (長野県)
宿泊: 菅平高原温泉ホテル 桑田館
講師: 服部 力 先生 (森林総合研究所)
参加: 40名

 9月13~15日、2003年度菌類観察会・ワークショップを筑波大学菅平高原実験センターで行いました。

 13日15:00から16:20まで受付を行い、この日は菅平高原温泉ホテル桑田館にて服部力氏によるオリエンテーションが行われました。夕食時に、参加者全員で懇親会を行いました。この日は全員が桑田館泊でした。

 14日午前は菅平高原実験センター構内にて、全員で主にキノコ類の観察・採取を行いました。午後からセンターにて鑑定を行いました。観察会のみ参加のメンバーはこのあと15:00頃に解散となり、その後は同じ場所にてワークショップに入りました。今回のワークショップは服部力氏による硬質菌類の顕微鏡観察実習でした。顕微鏡で観察するポイトを押さえて、検索表をたどる練習が主体でしたが、参加者は終了予定の18:00をはるかに越えて23:00過ぎまで熱心に顕微鏡を覗いていました。

 15日は早朝から前日の続きの顕微鏡観察実習を行い、最後に前日の成果を試すべく講師から出されたテストに挑みました。小さな断片のみで全体像の分からない硬質菌を、短時間で属レベルまでの同定をする作業に参加者は皆一様に苦しんでいました。この後11:00頃までには片づけも終わり昼前には解散となりました。

 今回は観察会とワークショップを連続して同時開催としました。参加者は総勢41名、ワークショップを含めた全日程参加者は33名でした。観察会のみ参加という希望が意外と少なく、多くはワークショップまで含めた全日程参加希望でした。申込を開始すると早い時期に定員に達してしまい、結果的に15名以上の方に不本意ながら参加をお断りすることになりました。

 例年なら多くのキノコが観察される実験センター構内も、大型菌は比較的少なく数10種の軟質菌と30種ほどの硬質菌類が採取されました。それでも、ほとんど無いだろうと思われていたテングタケ科やキシメジ科のきのこをはじめ、ベニタケ科のきのこも予測より多く観察されました。種まで同定されたものは約60種あり、属レベルまで判明したものを含めて約80種弱のきのこが観察されました。

 今回の観察会・ワークショップは筑波大学菅平高原実験センターの全面的な協力の元行われました。センター所長の徳増征二先生には多大なる御尽力を頂きました。また、軟質菌の同定には安藤洋子さんにお世話になりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

担当幹事 服部力、浅井郁夫、佐藤大樹