第32回 菌類観察会報告

日時:2018年10月13日(土)~14日(日)
場所:埼玉県秩父郡皆野町 美の山公園(美の山国民休養地)
観察会・鑑定会会場:美の山公園(美の山国民休養地)
宿泊・スライド発表会会場:いこいの村ヘリテイジ美の山
参加人数:22名

 2018年10月13日~14日に,埼玉県秩父郡皆野町の「美の山公園」にて第32回菌類観察会を開催しました。秋も盛りの好天に恵まれた秩父・美の山に,各地から幅広い年齢層の参加者が集まりました。初日は,宿舎となった「いこいの村ヘリテイジ美の山」にて受付とオリエンテーションを行った後,スライド発表会が開催されました。スライド発表会では,次の3名の演者が,地下生菌類から微細なガマノホタケ類に至るまで,多様な菌類の世界について貴重な写真とともに紹介されました。

・折原貴道氏(神奈川県博)「昭和期に記載された謎の地下生菌類の実態を探る」
・中島 稔氏(神奈川キノコの会)「最近撮ったキノコ写真」
・星野 保氏(産総研)「探して欲しい!見て欲しい!麗しきガマノホタケの世界」

 スライド発表会では活発な質疑応答や意見交換がなされ,その後続けて夕食・懇親会となり,参加者同士での情報交換が夜遅くまで続きました。

 翌日も澄み渡った秋空となり,絶好の観察会日和でした。宿舎の周囲にも,ハタケシメジ,ウラベニホテイシメジ,ルリハツタケ,カノシタやテングノメシガイ科の一種などの多様な菌類が姿を見せており,朝からさっそく観察や写真撮影に取り掛かる参加者も見られました。宿舎から美の山公園へは徒歩で移動し,主にコナラ,シデ類やアカマツなどからなる混交林にて観察を行いました。美の山公園では,秩父地方で食用きのことして好んで利用されるムレオオフウセンタケが採集されたほか,タマゴタケ,ハツタケやスッポンタケなどのおなじみの菌類に加え,ホテイタケやミヤマタンポタケなど,目にする機会が比較的少ないと思われる子嚢菌類も観察できました。

 観察会後は再び宿舎に戻って昼食をとった後,鑑定会が行われました。鑑定会場には参加者が採集した標本が机一面に並び,合計63点の菌類が同定できました。鑑定会では,参加者は熱心に写真撮影,形態観察や意見交換を行っていました。今年度は好天に恵まれた中での開催となり,参加者の皆様のご協力のおかげで事故やトラブルもなく,安全に進行することができました。

 最後になりましたが,埼玉きのこ研究会の近藤芳明氏,大久保彦氏には,美の山公園での菌類観察会の開催に当たり,貴重なご助言・ご協力をいただきました。また,いこいの村ヘリテイジ美の山の皆様には,鑑定会場の確保等で大変お世話になりました。ここに記して厚く御礼申し上げます。



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