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一般社団法人 日本菌学会 - The Mycological Society of Japan

新着情報

Mycoscience誌出版社ならびに出版形態変更のお知らせ

2020/12/14

日本菌学会英文誌であるMycoscienceが,2020年12月をもちましてElsevier社からの刊行を終了し,2021年1月(Vol. 62)から日本菌学会が出版母体となりJ-STAGE(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/mycosci/)上でオンラインのオープンアクセス誌として公開されます.先日,事務局より発送いたしました「Mycoscience Vol. 61 No. 6」が印刷冊子としてお届けする最後のMycoscienceとなります.
日本菌学会はMycoscience掲載論文の流通性を高める目的で,Springer社あるいはElsevier社に出版を委託してまいりました.しかし,近年の学術誌をめぐる環境の劇的な変化(オープンアクセス化の潮流,海外大手出版社の論文購読料値上げ,著者に対する経費負担要請など)の下,出版委託先ならびに日本菌学会双方にとってのメリットを見つけることができない状況になってしまいました.日本菌学会では昨年度よりMycoscience刊行ワーキンググループならびに理事会で出版方法およびその形態につき議論を重ね,最終的に,Mycoscience誌出版権を第3者に委ねず,日本菌学会が著作権者および出版母体となりJ-STAGE上でオンラインのオープンアクセス誌として発行することといたしました.オープンアクセスですので,世界中の人々が自由にVol. 62以降のMycoscience誌に掲載された学術成果を閲覧することが可能です.また,クリエーティブコモンズライセンス (CC) BY-NC-ND 4.0 の条件下(詳しくはhttps://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja)で公開いたしますので,非商用目的且つ改変しない限り自由に論文を共有することが可能となります.また,CC BY-NC-ND 4.0 範囲外の利用,例えば,論文図表の日本語化等,主旨変更を伴わない軽微な改変を伴う利用については,従来通り,学会事務局にご連絡いただければ所定の手続きを経て許諾いたします.今回のオープンアクセス化の方針は,日本菌学会が拠出できる限られた出版経費を用いて,Mycoscience掲載論文の流通性を高め論文著者の学術成果を世界に広く知らしめることができる唯一の方法だと考えております.
なお,Springer社あるいはElsevier社で刊行されたMycoscience掲載論文については一部のものを除きオープンアクセス論文ではございません.これらの論文の権利は日本菌学会が有しておりますが,出版権をこれら出版社に移譲しております.Elsevier社は契約満了後も権利を放棄せず,引き続き商材として販売するとのことです.また,会員に恵与されたScience Directを通じてのMycoscienceオンラインアクセスサービスはElsevier社との契約満了(2020年12月末日)をもって終了いたします.契約終了後のこれら論文の会員向け無料オンライン購読サービス実現にはScience Direct上でのオープンアクセス化,あるいは出版社に譲渡した権利の買い戻しが必要と思われ,現在のところ,有効な方策がありません.ご不便をおかけいたしますが,何卒,ご了承賜りますようお願いいたします.

一般社団法人日本菌学会では会員の皆様方のご理解とご協力の下,世界ならびに我が国の菌学の振興・発展に寄与し続けたいと考えております.どうか,今回のMycoscience誌出版社ならびに出版形態変更に関してご高配賜りますようお願い申し上げます.

一般社団法人日本菌学会会長 田中千尋