第12回 菌学シンポジウム報告

「Fungal Diversity - species and genes」

日時: 1996年8月29日(金)13:00-
場所: 東京大学 総合研究博物館

プログラム(敬称略)
1) Greetings
 J. Sugiyama (Univ. Tokyo)
2) Recent developmemts in the Taxonomy of Fusarium and Trichoderma  W. Gams (CBS, Netherland)
3) Fungal Genome Sequence Project: Recent Approaches and Perspectives  K. Kitamoto (Univ. Tokyo)
4)
The taxonomic Structure of the Nectria ochroleuca group and associated anamorphs around Gliocladium roseum  H. J. Schroers (CBS)
5)
Systematics of the Section Actinomortierella : a Specialized group in the genus Mortierella

 Y. Degawa (Univ. Tsukuba)

6) Genes for chitin metabolism in filamentous fungi  E. Horiuchi (Univ. Tokyo)
7) Revision of the genus Piptocephalis  T. Graefenhan (CBS)
8) Molecular phylogeny of the Zoopagales and relatives  Y. Tanabe (Univ. Tokyo)

 平成9年度日本菌学会関東支部主催シンポジウム「Fungal Diversity - species and genes」が8月29日東京大学総合研究博物館において行われました。

 本シンポジウムは種の多様性と遺伝子の多様性はお互いに極めて関係深く、菌類の研究に対して、少なくとも相互理解がなければ先に進まないのではないだろうかと思い企画されました。すべての講演が英語で行われ、さらに幅広い対象であったにもかかわらず、71名の参加者を数え、会場の大ホールが満席の状態になったことは大変喜ばしいことでありました。

 オランダ CBS の W. Gams 博士と彼の教え子の大学院生 H. J. Schroers と T. Graefenhan の講演は聴衆に対してきめ細かい配慮をされた講演、さらに興味深い内容ですばらしものでした。特に、Fusarium の分子系統樹は極めてインパクトがあり、個人的には感動しました。また、この CBS グループに負けず劣らない講演が東京大学の北本勝彦教授、堀内裕之博士、田辺雄彦氏、筑波大学の出川洋介氏により行われ、内容の濃いシンポジウムとして記憶されるに違いないと思います。

 シンポジウム後の懇親会も盛況に終わり、その後 CBS グループの面々を交え大学近くの居酒屋でかなり呑みながらさらに交流を深めたことを最後に報告します。

(企画担当幹事:西田洋巳)

追記:直前にもかかわらず座長を引き受けて下さいました三川隆博士(三菱化学)、佐藤大樹博士(森林総研)、犀川政稔博士(学芸大)、岡田元博士(理研)横田明博士(東大)に感謝します。