第18回 ワークショップ報告 
「 Identification Workshop on Paecilomyces/Aspergillus

日時: 2004年10月17日(日)~21日(木)
場所: 筑波大学 菅平高原実験センター (長野県)
講師: R.A. Samson 先生(オランダ CBS)、M.A. Klich 先生(アメリカ USDA)
参加: 23名(ベトナム、インドネシア、韓国、日本)

H16WS01.jpg

 日本菌学会関東支部主催第18回菌学ワークショップ 「Identification Workshop on Paecilomyces / Aspergillus」 は、Robert A. Samson博士 (Centraalbureau voor Schimmelcultures, オランダ) ならびに Maren A. Klich博士 (Southern Regional Research Center, Agricultural Research Service, USDA, アメリカ) を講師に迎え、関東支部会員を主とする23名の参加者(国内20名、国外3名)を得て、10月17日~21日に筑波大学菅平高原実験センターにおいて開催されました。外国人講師による日本菌学会関係のワークショップとしては、共に同センターで開催された1988年のPenicillium属とAspergillus 属(講師: J. I. Pitt 博士、M. A. Klich博士)、ならびに1997年のAcremonium属(講師: W. Gams博士)の前例があり、今回はこれらに次ぐ企画と位置づけられます。

 本ワークショップでは前半と後半をSamson博士によるPaecilomyces 属とKlich博士のAspergillus 属とのテーマに分け、Paecilomyces 関連菌類32株とAspergillus 関連菌類92株を2~4種類の異なる条件で培養し、観察に供しました。テキストとしては、Paecilomyces についてはSamson (1974) を多少改稿し、さらに論文数編を追加したもの(本ワークショップのみのために準備)、またAspergillus については最近出版されたKlich (2002) を使用しました。菌株選定、プレート準備、菌株接種・培養・移送、日程調整、経費、天候などの多くの問題がありましたが、皆で力を合わせて解決し、無事切り抜けることができました。4泊5日にわたる講義と実習(顕微鏡観察)を通し、多くの質疑応答が交わされました。Aspergillus 関連株は講師自らが厳選したもので、質・量ともに申し分ありませんでした。また、Paecilomyces 属についても、最新の研究結果を反映した新分類システム(印刷中の結果などを含む)について貴重な情報が得られたものと確信しています。

 多少の困難はありましたが、多くの菌株を用いたワークショップを開催し、参加者の皆様にそれぞれのレベルでご満足いただき、さらに新たな人の輪が広がったことは、企画者として望外の喜びです。本ワークショップ開催にあたり、ご協力いただいた方々と組織を以下に記し、感謝の意を表します。

ご協力いただいた個人ならびに組織(敬称略):
 Robert A. Samson
 Maren A. Klich
 筑波大学菅平高原実験センター
 United States Department of Agriculture, Southern Regional Research Center (後援)
 独立行政法人製品評価技術基盤機構 (後援)
 東京大学 分子細胞生物学研究所 細胞機能情報研究センター IAMカルチャーコレクション (後援)
 独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター (後援)
 Centraalbureau voor Schimmelcultures
 独立行政法人森林総合研究所 昆虫管理研究室
 独立行政法人森林総合研究所 九州支所
 玉川大学学術研究所
 ノボザイムズ ジャパン(株)
 藤沢薬品工業(株) 醗酵研究所

2004年11月
日本菌学会関東支部
企画幹事 岡田 元
企画幹事 佐藤大樹

引用文献
Klich, M. A. 2002. Identification of common Aspergillus species. Centraalbureau voor Schimmelcultures, Utrecht. 116 pp.
Samson, R. A. 1974. Paecilomyces and some allied hyphomycetes. Stud. Mycol. 6: 1- 119.