第24回 ワークショップ報告 「菌類の分子系統学を学ぶ超入門編」

日時: 2010年6月17日(木)~19日(土)
場所: 筑波大学 菅平高原実験センター (長野県)
講師: 保坂 健太郎 先生 (独立行政法人 国立科学博物館 植物研究部)

 2010年6月17日〜19日、筑波大学菅平高原実験センターにて、(独)国立科学博物館 植物研究部の保坂健太郎に講師をお願いし、第24回菌学ワークショップ「菌類の分子系統学を学ぶ超入門編」を開催しました。参加者定員を20名に設定しておりましたが、予想を大幅に超えるたくさんの方々からのお申し込みがあり、菅平高原実験センターのご協力を得て、30名の会員のご参加を受けることができました。

 初日,オリエンテーションに続き、ワークショップで使用するソフトウエア(フリー)のインストールを行ないました。分子系統解析法に関する講義の後、DNA塩基配列データファイルの作成、データのアラインメントについて、実際にソフトウエアを使い実習を行いました。

 2日目は、アラインメントを行ったデータを使用し、近隣結合法、最節約法、最尤法、ベイズ法による解析を実際に行いました。

 3日目は、前日行った最尤法、ベイズ法による解析の続きおよび系統樹の作成を行い、さらには、祖先形質の復元、生物地理学への応用など、分子系統解析結果の応用とそれに使用するソフトウエアについても解説いただきました。

 超入門編ということでしたが、大変盛りだくさんの内容で、単純にソフトウエアにデータを入力し、系統樹を作成すると言うことではなく、それぞれの解析法やソフトウエアの特徴、得られた解析結果の解釈の仕方など、詳しく解説していただきました。また、講義・実習の時間だけでなく、懇親会、休憩時間にも、様々な質問や相談にお答えいただきました。これまでに分子系統解析の経験が全くない方には少々難しかったかもしれないですが、正しい解析結果を得るためには様々な検討を加える必要あることを学ぶことができたと思います。

 保坂先生には、お忙しいにもかかわらず、講師をお引き受けいただき、非常に中身の濃いワークショップを行っていただきました。ありがとうございました。参加された皆様、センター収容人数ぎりぎりいっぱいの状況となり、たいへんご不便をおかけいたしました。また、菅平高原センターの皆様には大変お世話になりました。皆様のご協力に心から御礼申し上げます。

WS担当幹事 山岡 裕一