第25回 ワークショップ報告 「昆虫随伴菌の観察」

日時: 2011年6月29日(水)~7月1日(金)
場所: 信州大学 教育学部付属志賀自然教育研究施設(長野県)
講師: 升屋 勇人 先生 (独立行政法人 森林総合研究所 森林微生物研究領域 森林病理研究室)

 本年度の菌学ワークショップは、平成23年6月29日から7月1日に、信州大学志賀自然教育研究施設において、森林総合研究所の升屋勇人先生を講師にお迎えし開催されました。参加者は16人で、募集人数よりも若干少なかったですが、若手の参加者が多く、活気のあるワークショップとなりました。今回のワークショップは、森林生態系において普遍的に生息している昆虫随伴菌を材料に、実際の生息場所の観察と様々な分類群に接することに力点がおかれたものでした。

 初日は、主にクワイカビ目に関する講義を行った後、前日に菅平高原で採取されたアカマツの樹皮を材料に、樹皮下穿孔性キクイムシの孔道に見られるクワイカビなどの顕微鏡観察を行いました。

 2日目は、アンブロシア菌やルリオトシブミやクロクサリアリ随伴菌に関する講義の後、それらの顕微鏡観察を行いました。ルリオトシブミでは、実際に解剖しマイカンギア菌を取り出す作業を行いました。合わせて、あらかじめ分離培養された菌株の観察も行いました。午後は、まず野外に出て、ミズナラなどの腐朽木から養菌性キクイムシを鋸や鉈を用い実際に採集、実験室に持ち帰り、マイカンギア菌の顕微鏡観察を行いました。

 3日目は、各自興味ある試料の観察を引き続き行いました。

 先生が事前に準備された様々な基質を用い、短期間の間に、多様な昆虫随伴菌類を観察できる、なんとも贅沢な時間であったと思います。参加者の昆虫随伴菌に関するバックグラウンドは様々であったと思いますが、参加者それぞれのレベルでの新しい発見があったようで、実験室は終始熱気に包まれておりました。升屋先生の昆虫随伴菌類に関する豊富な知識と経験をふんだんに盛り込んだワークショップであったため、どの参加者にとっても実りある時間となったのではないかと期待しております。

 初めての企画幹事ということで、参加者の方々には様々な点でご迷惑をお掛けしたかと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。来年のワークショップでは、特定の分類群を材料にした菌種の同定に力点をおいた企画を考えております。多くの方々の参加を期待しております。

 WS担当 企画幹事 広瀬 大

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