日時: 2025年4月19日 13:00-17:50
場所:東京農業大学 世田谷キャンパス アカデミアセンター 横井講堂
参加人数:54名
令和7年度年次大会は、昨年度同様に東京農業大学様のご協力により、世田谷キャンパスのアカデミアセンター 横井講堂にて開催いたしました。年次総会、話題提供講演が行われました。今年度も引き続き、一般講演者のご負担を減らすために、要旨提出を任意とし、「一般講演」の他に「学生講演」と「その他講演」を行いました。おかげさまで多くの演題登録をいただきました。ありがとうございました。
話題提供講演では、園田修平先生(科学警察研究所)による「毒キノコによる食中毒事案におけるDNAバーコーディング法の活用の検討」という演題でご講演いただきました。また、澤田晶子先生(金城学院大学)からは「サルのキノコ食における毒キノコ回避行動」のご講演をいただきました。毒キノコに関連した2つの興味深い研究に、懇親会も含めて多くの質問や意見交換がなされました。
一般講演(3題)、学生講演(7題、*で表示)及びその他講演(3題、**で表示)は以下のとおり発表がありました(発表順にてタイトルと発表者のお名前(敬称略)を示します)。
1)博士号取得報告:腸内外両生菌類(キクセラ亜門)の分類と進化に関する研究(筑波大学山岳科学センター 李 知彦)2)日本産ハエ目昆虫に見られるラブルベニア菌(広義のStigmatomyces属)の記録(筑波大学理工情報生命学術院 藤原 快稜*)3)動物死骸基質から得られたラブルベニア綱Pyxidiophora属菌について(筑波大学理工情報生命学術院 田中 凌太*)4)日本産ハチミツから分離されたミクソトリクム科に属する4種の未記載種(日本大学大学院薬学研究科 大久保 朱*)5)青森県十和田市蔦川で採集されたハルペラ目の1種について(森林総合研究所 佐藤 大樹)6)汽水域に生息するヒルギ科植物根部からのDark separate endophytesの獲得(茨城大学大学院農学研究科 金城 海*)7)ニガクリタケモドキの帰属について(信州大学農学部 三浦 航志郎*) 8)信州大学西駒演習林で見つかったヌメリガサ科の一新変種(信州大学農学部 樋熊 葉*)9)ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)由来ジオキシゲナーゼ遺伝子の発現解析(玉川大学大学院農学研究科 岸上 琴映*)10)サナギタケ栽培とアップサイクルの可能性(信州大学繊維学部応用生物科学科 野川 優)11)イタモジホコリの胞子の保存による発芽率の変化(東京大学大学院薬学系研究科 佐藤 菜月**)12)低真空卓上SEMによる地衣体の微細構造の観察とアセトン洗浄の効果(神奈川県立生命の星・地球博物館 石原 峻**)13)きのこ図鑑企画展(多摩森林科学園)の報告(多摩森林科学園 長谷川 絵里**)
以上。
講演会に先立って行われた年次総会では、令和6年度の活動報告および令和7年度の活動計画が報告・承認されました。また、役員の改選についても承認いただき、第20期の運営体制がスタートいたしました。
勝本賞については、第10回候補対象の分野・基準が「過去5年間に菌類関係の分野で優れた論文を発表した関東支部に所属する個人に授与する」としていましたが、残念ながら応募がありませんでした。本基準については令和7年度も引き継ぎ、募集をすることになりました。
懇親会は東京農業大学国際センターのレストランスペースにて開催されました。学生さんを含む多くの方々にご参加いただき、話題提供講演の園田先生、澤田先生と親睦を深めました。今大会は54名のご参加を賜り、盛会のうちに終了致しました。ご参加いただいた皆様、演者の皆様、会場準備にご協力いただいた皆様に深く御礼申し上げます。
最後に、本年度から第20期の新体制となりましたが、会員の皆様に興味をもっていただけるような企画を一緒に作っていきたいと思っております。引き続きよろしくお願い申し上げます。
年次大会担当幹事 関本 訓士・山口 薫